ギャラ飲みと言うと楽しく飲んでお金を稼ぐ副業や本業として人気を集めています。ただ、お金を稼げば当然ついてくる話題が税金の話です。
今回の記事では、ギャラ飲みにまつわる税金周りを詳しく解説し、納税方法までご紹介します。
目次
ギャラ飲みで発生する税金とは?
ギャラ飲みでは税金が発生します。発生する税金は2通りで、ある一定金額の『所得』を稼いでしまうと、所得税と住民税が発生してしまうんですね。
この2つの税金にはどのような違いがあるのかこの項目では簡単に説明します。
ギャラ飲みの税金①所得税
所得税は、個人の所得に対してかかる税金で、1年間の全ての所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に税率を適用し税額を計算します。
まず、所得税について理解する上で必要になってくるのは、『所得』という言葉です。
ギャラ飲みをする際に売り上げたお金ではなく、そこから経費や所得控除を差し引いて残ったお金を指しますよ。
例えば極端な話、100万円の売上で経費が100万円の場合には発生しません。
参照:国税庁|所得税のしくみ
ギャラ飲みの税金②住民税
所得税は国に納める税金ですが、住民税は戸籍を置いている市町村に納める税金です。
所得税と同様に所得から税額が決まりますが、地域によってかなり違いがある点には要注意です。
また、均等割という制度が存在し、かなり特殊な個人住民税非課税世帯に該当しない限りは、前述した所得が0円の場合でも一定額を納める必要がでできます。
住民税全体の税率はほぼ一律して10%程度になりますよ。
なぜギャラ飲みで税金は発生するのか?税金が発生するケースとは?
結論から言うと、ギャラ飲みで税金は発生します。なぜなら、ギャラ飲みは一種のホステスと同様な働き方であり、収入は雑所得に分類されるからです。
ただ、ギャラ飲みとは言っても、本業としてギャラ飲みをしている場合や副業として行っている場合など様々ですよね。
そこで、この項目ではメジャーな3つの類型についてケーススタディを行っていきます。
ギャラ飲みだけで活動している場合
ギャラ飲みだけで活動している場合には、おおよそ年間で48万円以上の所得があると税金が発生します。
ギャラ飲みだけとなると雑所得のみが収入の基準となり給与所得控除等の控除が使えず、税金が発生する下限が低い点には注意が必要です。
給与所得を貰える本業がある場合
ギャラ飲みで活動している女性の中には昼職を行っている方もいらっしゃるでしょう。
事務や経理などの事務職の給料は給与所得と呼ばれ、ギャラ飲みで年間20万円以上の所得を得ていると所得税が発生します。
いわゆる20万円ルールというのがギャラ飲みにも適用されるんですね。アルバイトの副業と違い雑所得となるため、20万円以下の場合には国税に申告する必要はありません。
ただし、住民税についてはこのルールが存在しないため副収入を得ている場合には必ず申告するようにしてください。
報酬ではなく贈与を受けている場合
後ほど詳しく解説しますが、ギャラ飲みの報酬を贈与として受け取っている方もいらっしゃるでしょう。
例えば、報酬をあらかじめ決めることなく『応援』という形で金品を受け取っている場合ですね。この場合には、所得税や住民税はかかりませんが、贈与税が発生します。
1月から12月末日までのプレゼント合計額が110万円以上を超えると金額に応じた税金を納付しなければなりません。
ただ、ギャラ飲みアプリを使っている場合には、報酬は運営側が管理するため贈与という形式は特殊な事例としてあまり深く考える必要はありません。
実際に、ギャラ飲みではどのくらいの金額の税金がかかる?
では、ギャラ飲みでどのくらい税金がかかるのか簡単に計算してみましょう。
ギャラ飲みの所得は雑所得であり、計算式は以下の通りになります。
総収入金額 – 必要経費 = その他の雑所得
必要経費としてはタクシー代や美容院代などを考慮に入れて経費率を『30%程度』として所得を算出してみます。
参照:国税庁|雑所得
総収入 | 経費を除いた雑所得金額 |
30万円 | 21万円 |
100万円 | 70万円 |
200万円 | 140万円 |
300万円 | 210万円 |
続いて雑所得金額を元に所得税額と住民税額(およそ10%)を計算してみます。
所得金額に対する税率は以下の表を確認して下さい。
引用:国税庁|所得税の税率
雑所得金額(総収入) | 所得税額(住民税)端数切り上げ |
21万円(30万円) | 約1.1万円(2.1万円) |
70万円(100万円) | 3.5万円(7万円) |
140万円(200万円) | 7万円(14万円) |
210万円(300万円) | 約12万円※(21万円) |
※210万円×0.1ー97,500(控除額)=約12万円
ギャラ飲みでもらった金銭以外のプレゼントにも税金はかかる?
繰り返しになりますが、ギャラ飲みで金銭以外のプレゼントを年間で110万円以上受け取ると税金がかかってきます。
具体的には、指輪やアクセサリーなどを指し、報酬と合わせて受け取っていて110万円を超える場合には納税を行う必要がありますよ。
上記の表で簡単に試算してみると、200万円の贈与を受けた場合は以下の計算式になります。
(200万円ー110万円)×0.1=9万円
プレゼントを受け取っただけで上記の金額がかかってしまうことには注意が必要ですよ。
ギャラ飲みで税金がかかった場合の対処法とは?
ギャラ飲みで税金がかかったことが分かったら、翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告を行って納税する必要があります。確定申告について自ら行ったことがなければ、税理士などのセカンドオピニオンに依頼するのも良い選択です。
ただ、現在では会計ソフトのfreeを利用すれば確定申告書類を自分で簡単に作成できてしまいます。
また、納税についても各種の方法が存在しています。確定申告で納税額が決定したら以下の方法で納税を行って下さい。
引用:国税庁|納税の方法
様々な方法が利用でき、あなたにあった納税方法を選択することができます。
税金を滞納してしまうとどうなる?罰則は?
確定申告から納税まで一連の流れは馴れていないと、『難しいし後でいっか』となってしまいがちです。ですが、期限までに確定申告から納付を行わなければ重い罰則が待っています。
各年分の無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額となります。
期限までにギャラ飲みによる税金が納付できなかった場合には、上記に示した『無申告加算税』や『延滞税』が課され、通常よりも高額な税金を収めなくてはならなくなりますよ。
更に言うと、意図的に脱税を試みたことが露見すると罰金や懲役刑が待っているため、必ず誠実に納税するようにしてくださいね。
ギャラ飲みの税金の申告をしていないことが税務署にバレる原因
ギャラ飲みの税金を申告していないことが税務署にバレる原因は非常に簡単です。なぜなら、基本的にギャラ飲みアプリを使っていればアプリ経由で銀行に現金が振り込まれるからなんですね。
銀行口座とマイナンバーが紐付いているので、銀行口座に入ってくるお金の流れを税務署は簡単に把握できてしまいます。SNS経由で現金手渡しならバレないのではないかと思われるかもしれませんが、ギャラ飲みをした男性が贈与として届け出を出していると、そこからお金の流れを辿られます。
基本的に税務署からの監視は逃れられないと考えた方がいいですよ。
ギャラ飲みの税金まとめ
今回の記事ではギャラ飲みの税金についてを詳しく解説してきました。
ギャラ飲みの報酬は給与所得となることはほとんどなく、雑所得で計上されるため確定申告が必要になる場合があります。
専業であれば48万円の壁、副業であれば20万円の壁を意識しながら安全にギャラ飲みで活動していきましょう。